大株主の大銀行が大量売却すると同時に、自社株買いと株式償却を公表した任天堂株。
週明けの株価はアゲなのかサゲなのか、何とも読めない展開です。
今回の騒動の発端として考えられるパターンは3つ。
- 大手銀行に課された政策保有株式の縮小命令に任天堂が協力した形、もしくはマイナス金利で業績不振に落ちいった銀行側が決算を前に大口利確に動いた形。
この場合、任天堂に対する不安があるわけではないので、新たな買い手さえ見つかれば問題ないでしょう。もしかすると売りに出された株式をGoogleやAppleが買いにきて大暴騰なんてのは夢物語ですかねw
- 業績無関係に売り浴びせる外資に腹を立てた任天堂が銀行から株式を引き上げて株価安定策を打ち出した
空売りの元手って銀行や証券会社が保有する株式なので、それを回収してしまうと。”株主の多様化を目指す”というIRとは思惑が一致します。
まぁ、これはないなw
ただ、これが万が一にも真実だった場合、これまで「キャッシュリッチで株価に興味がないと思われていた任天堂」からの“奇襲”という事になるので、空売機関は大慌てで買い戻すでしょうから、月曜からギャラドスも吃驚の滝登りが炸裂し、株主的には一番恩恵がありますね。
- 単純に任天堂の将来性を見限った
株主にとってはこれが一番嫌なパターンですね。裏側の情報まで仕入れられるであろう銀行が手を引くという事は確固たる理由がありハズで、それが今後明るみになる可能性があります。来期利益半減とか。
ただ、いわば ”プロ” の彼らが手放すにしてはタイミングが「?」です。
Switchの先がない、という予測であれば、40000円台の頃にとっくに売り抜けているのではないでしょうか?それに、暗黒期のWiiU時代に動かなかった癖に、なぜハード好調の今?
まぁ、こんなこと素人の私たちが考えても無駄ですね。
月曜からの流れに従うほかありません。
結局、目先の株価はともかく、今後任天堂株が再び50000円をトライできるかは、
「Switchの次」が成功するか否かにかかっているのです。
歴代任天堂ハードは、携帯機は複数回のモデルチェンジにて販売台数を稼ぐ一方、据え置き機では原則1世代1モデルを貫いてきました。果たして、「ハイブリット機」を宣言するSwitch
はどちらの道を歩むのでしょうか?
実はこの答えは、既に任天堂の公式見解がなされています。
2014年の株主総会質疑応答の場です。Q5に注目してください。
独立していた携帯ゲーム機とコンソールゲーム機のチームを一つの部門に。
世代をまたぐときにも、これまでは技術の進歩の段階が非常に激しかった関係で、ハードが全く違うものになったが、今は、もうそのようなことをしなくて良い環境が整った。
コンソール機と携帯機というのは全く別々の二つのものではなくて、もっと近い兄弟のような存在になる。
iOSやAndroidは共通のプラットフォームの書き方でいろいろな機種で動く。「任天堂のプラットフォームもそうならねばならない」
まだニンテンドースイッチが開発コードネーム「NX」と公表されるよりも前の発言になりますかね。当然、故岩田社長の頭の中には、”次世代機”の構想はあったはずなので、それをイメージした発言だったのでしょう。
これまでのゲームの進化はグラフィック高解像度化を伴ったために、ハードの全面入替が必要だったが、もはやこれ以上の映像美は不要という事を「ゼルダの伝説」が証明した。ならば、今後のゲームの進化はすべてOSで吸収可能だ、という考え。
これまでiPhoneは何回もバージョンアップを繰り返して、カメラの画素数が格段にパワーアップしたり、パスワード認証が指紋認証になり、昨今では虹彩認証にまで進化している。その実現のために、毎回appStoreアプリが作り直しになったり、電話帳をいちいち登録し直しおしたかというと、そういうわけではない。こうしたハード世代の差はすべてiOSが吸収してくれたおかげで、ユーザーは苦労することなく世代を超えることができた。
NintendoSwitchもこの思想の上に成り立っているという事だ。
Switchの開発にNVIDIAの協力を得たのは単にGPUの提供にとどまらず、これまでの使い捨てOSではなく、iOS,Androidに匹敵する息の長いOSを目指したが故であろう。
ニンテンドースイッチという名前には、TVと携帯モードのスイッチ、joy-conが多種多様なプレイスタイルへスイッチ、というコンセプトが宣伝されましたが、本当に目指したスイッチはこの、「プラットフォーム概念のスイッチ」だったのかもしれません。
では、具体的に新型スイッチはどのような機能が搭載されるでしょうか?
- TVモードを排除した、3DSサイズの小型版
DSのような折り畳み式で、不要な上画面はただのカバーとして薄くなれば、携帯性抜群。
コンソール機と携帯機は兄弟、を体現したアイデアなので、大本命ですね。
- マルチメディア対応のタブレット端末化
switch発売時に「あれ?」と思ったのですが、WiiUにあった機能が色々省かれているんですよね。インターネットブラウザとか、動画配信機能(Hulu等)とか音楽再生とか。Youtubeとかレコチャクとか、発売後に少しづつ対応してきていますが、発売当時は「ゲーム機」である事をアピールしたかったのでしょうか?
正直、それにコストがかかるとも思えないので、折角持ち運べるのに、モッタイナイなぁ、と思ってました。
が、これが「タブレット端末機能」を詰め込んだ次世代機発売のために”温存”していた可能性もあるのではないでしょうか。音楽、画像、映画、電子書籍、SNSなど、一般的なタブレットが有する機能を搭載したうえで、ゲームも遊べる端末。
ゲーム需要が一巡したタイミングで新たな顧客を取り込むには持ってこいの策略ではないでしょうか。
- VRゲーム対応版
最近急にネットで話題になってましたね。
ありえなくはないですが、可能性は薄い気がします。なぜなら任天堂にとって、立体視って鬼門じゃないですか。バーチャルボーイで大失敗してるし、3DSも1年たたずに大幅値下げで大出血。ただ立体にしたところで、ユーザーは興味を示さない事を痛感しているはずです。
それに、自分のお子さんがヘルメットかぶってゲームに熱中する姿、見たいですか?
任天堂のコンセプトから考えて、これが致命的にアウトなんですよね。
テレビに向かってみんなでワイワイ、携帯機持ち寄ってお外でもワイワイ、
これこそ任天堂の目指す世界じゃないですか。
ただ、いっそのこと、「オモチャ」に振り切ってしまう作戦はあるかもしれません。
例えば、リンクの帽子やファルコンのヘルメットにスイッチが搭載できる形にするとかw
ほいでjoy-conとして、剣やハンドルをかたどったものを同梱する。
まるで子供たちが主人公のコスプレをしてハシャイでるみたいに映りませんか?
これならギリギリ微笑ましく見れるかもしれません。
2019.04追記
VRに関しては、NintendoLabo -VRkit- という形で実現してきましたね。
やはり子供のオモチャ工作という良い塩梅で仕上げてきました。
ただ、想像を超えてきたのは、マリオオデッセイとゼルダの伝説のVR無料対応!
な、なんという太っ腹企画・・・!
特にあのどこまでも広大でどこまでもリアルなハイラルの世界がVR対応だなんて、脳汁止まらないっすわ。
でも、段ボール工作にはあまり興味がないので、そのうち売り出されるであろう周辺機器のVRゴーグルを待ちたいと思います。。
とりあえず、VR版Switchは現行機で実現可能、という事でこの線は消えましたね。
- QOL端末としての超限定機能版
以前、鳴りを潜めているQOL事業をスイッチに統合するのでは?と記事にしたことがありますが、そのターゲットとなるのは、50代以降のゲームとは無縁の世代です。
そのため、いっそゲーム機能を全て削ぎ落し、生体センサーと通信するだけのjoy-conサイズの本体、という発想も面白いです。
普段は本体と生体センサーだけ持ち歩いて、家に帰ったらjoy-conを片方だけ装着して、結果を見る。joy-conは子供のスイッチから借りる事だってできますね。
これなら5000円あれば実現可能でしょう。
OSは固定したまま、ハードを定期的に更改するというアップル商法に舵を切る想定を置いた場合、ニンテンドースイッチは実に理にかなった形態をとっています。
それは、スイッチドッグとコントローラーが完全分離している事です。
つまり、新しく仲間入りする方には、全部込みの3万円という現状価格で提供しつつ、「新型本体のみ1万円」という選択肢を用意することができます。
これまでのコンソール機を1世代1モデルにせざるを得なかった大きな理由は「値段」です。
3万円の本体を定期的に買い替えてくれとは、到底無理なお願いでしょう。
一方で、1万円台であれば、買い替え需要が掘り起こせることは、過去の携帯ゲーム機が証明しています。
本体だけの買い替えが可能なスイッチであれば、色々なバリエーションを用意して定期的に発売しても、ユーザーの反発が起きにくいのではないでしょうか。
また、買い替えと同時に、これまで買ったソフトは引き継げるのか?という問題も起きますが、これはすでにニンテンドーアカウントで解消済です。
一度購入したソフトの履歴は管理されているので、新型機で買いなおしをする必要はないでしょう。
色々と妄想は広がりますが、ニンテンドープラットフォームのアップル化、は間違いなく今後の任天堂の既定路線です。
最近アップルとの水面下での接触が取り沙汰されているのも、iOSへのキャラクターIP解放と引き換えに、OS維持の極意を情報交換しているのかもしれませんね。
この流れに沿えば、新型スイッチは必然、と言えます。
早ければポケモン最新作と同時期の2019年の年末商戦に向けて発売されるかもしれませんね。
2019年の年間販売計画がやけに強気の台数を示してきた場合は、かなり信憑性が増します。
2019年GW頃には何かしら情報の一端が見えてくる可能性が高そうなので、楽しみに待ちましょう♪