任天堂の岩田社長の急逝を受けて・・・

2015.7.14 mixiにて執筆

 

プラトゥーンに「ありがとう岩田社長」のメッセージが溢れかえってる・・・
http://blog.esuteru.com/archives/8253121.html

僕もsplatoonを起動してみた。
誰もかれも「楽しい時間をありがとう」「これからも任天堂が大好き」「ゆっくりおやすみください」

それも岩田社長の似顔絵やカービィ、ネス、ピカチュウ、マリオなどキャラクターの絵と共に愛情のこもったメッセージばかり。
なんか色々書きたかった事あったけど、訳わかんなくなって泣きながら書いてます。゚(゚´Д`゚)゚。

 

ントに神様って二物を与えないんだな。

 

iPhoneの大HITで世界中の人々のライフスタイルを変えたスティーブ・ジョブス。
DSWiiの大ヒットで「NINTENDO」ブランドで世界中に笑顔を届けた岩田聡。

才能と人徳と発想力を兼ね備えた天才。
享年56歳と55歳。

1企業の社長に収まらず、まだまだ世界中を引っ張っていくハズの偉大な人だったのに。

 

 

スティーブジョブスに対し、オバマ大統領が送った追悼の声明

「世界はビジョナリーを失いました。
そして、多くの人が彼の死を、彼が発明したデバイスで知ることになったということは、
彼の成功への最も大きな賛辞であるかもしれません。」

 

岩田社長の場合は、こうか。

「ゲーム業界はビジョナリーを失いました。
そして、多くの人が、彼が発明したゲーム機で、彼が世に送りだしたキャラクターを通じて
哀悼のメッセージを寄せていることは、
彼の成功への最も大きな賛辞であるかもしれません。」

 

 

当に志半ば、とはこの事だ。
やっと3年間の赤字から抜け出して、昨年度は黒字転換を果たした。

5月末に発売した「Splatoon」という新開発のゲームが50万本に迫る勢いで売れている。

もしかすると、任天堂にしてはショボイ数に見えるかもしれないが、
スマブラですら60万本、マリオカートですらギリギリミリオンというWiiUプラットフォームでの話。

週販4000代程度の超低空飛行を続けていたWiiUの販売台数が、splatoon発売以降、15,000
台ペースで売れ続けている。

これを成功と言わずになんという。

 

早くスマホでゲーム出せ。

ガチャをすれば手っ取り早く儲かるだろ。
外貨ばっかり溜め込むから円高で損するんだ。もっと投資しろ。

散々コケにされてきた株主とやらをギャフンと言わせる姿を見せて欲しかったのに・・・(ノД`)
どうか、先代の山内社長から続く任天堂のDNAとゲーム業界の先見の明を失わない事を祈るばかり。

 

30年もの間、任天堂がブランド価値を損なわずにやって来れたのはなぜか。 ゲーム業界と言う特異な環境で、普通の経営者では考えられない行動をしてきたからだ。
最近はさすがに減ってきてはいるが、任天堂という会社は昔からすぐに発売日を延期する。
発売日が決まっていたゲームでさえも、だ。
ポケモン金銀はもはや同世代の伝説ネタだし、ゼルダシリーズなんて最初に公表する発売日なんか、誰も信用していないw

小中学生の頃なんて、「ちぇ~また延期か~。待ち切れんわ!」とか言いつつも、ワクワクして待ってたけど、今にして思えば、凄いことしてたんだな、と。

 

だって、その年に目論んでいた「売上高」がうん百億という単位で吹っ飛ぶんだからね。
それどころか単純に、開発工数が数百人月という単位で増えるわけで、イコール開発費が何百億と言う単位で上乗せされるはずだ。

普通の経営層ならこう言うよ。

「寝言は寝てから言え。というか、お前寝るな。 何としても間に合わせろやボケ。」

 

そして現場で何が起きる?
デスマーチはいうまでもなく、社員のモチベーションも体力も無くなり、やっつけ仕事が始まる。
最後には手抜きの糞ゲーが出来上がる訳だ。

 

任天堂は今までそれを許さなかった。
(風のタクトと言う謎の尻つぼみゲーがあった気がするが…例外だw)

それが安心の任天堂ブランドを作り上げた。

 

そう、任天堂がブランドを維持するためには一兆円と言う国家予算バリの現金貯蓄が必要なのだ。

単年の売上が吹っ飛ぼうとビクともしない強靭な資産力がなければ、こんな経営判断できないからね。

到底、他社には真似できない。

こうして多くのゲーム会社は開発費かからないスマホゲームへの移行を余儀なくされた。

 

その資産を有効活用して他社を買収だ?

「寝言は寝てから言え。 任天堂は自社の未来に投資しとんじゃボケ」

くらい株主総会で本音ぶちまけても良かったんじゃないですか?(笑)

 

本のクソゲーが、続編の売上を落とし、ブランド価値を傷つける。
あのポケモンですら、据置型対戦ゲームは完全にブランド崩壊した。

「ポケモンスタジアム」は30匹のポケモンしか使えないのに、どうしてあんなに熱中してたんだろう。波乗りピカチュウ1匹作るのに必死になってた頃が懐かしい。
ジムリーダーの城とか、ミニゲーム集とか、ドードリオGBモードとか、据置機でしか味わえないワクワクが詰まった神ソフトだった。

それが、ゲームキューブから任天堂開発の手を離れ「ジーニアス」とかいう天才とは程遠い会社の手で価値を失い、Wiiと同時発売した2006年以降、発売されていない。
きっとポケモンの数と比例して増大する開発費をペイできる程の売上が見込めないんだろうネ。

「ポケモン」の看板を持ってしても、この末路なのだ。
ゲーム業界がいかに難しい世界か。

 

の世界で30年間ブランドを維持してきたのは、先代山内社長と岩田社長の千里眼の賜物だろう。

このお二人が語るゲーム業界の将来像は、もはや「予想」ではなく、「予言」めいていた。

ファミコン、スーファミで一世を風靡したのち、PlayStation2に王座を奪われた任天堂。
しかしその頃から任天堂は敢えて 「技術戦争」 とは一線を画していた。
「ゲームの本質とは異なる高画質・高性能化の追及は、開発費ばかりが高騰しゲーム業界を縮小させる。任天堂は、遊びの本質である「新しい体験」を提供する事で生き残りをかける。」
当時は、だれもが 「負け犬の遠吠え」 「過去の栄光」 と蔑んでた、そんな時代だった。

結果は誰の目にも明らかだった。
DS・Wiiで文字通り新しい体験を武器に覇権を奪い返した任天堂に対し、”コアゲーマー”層しか興味を示さなくなったPS3、PS4。

ちなみに、海外では今PS4がゲーム戦争の覇者と言われていますが、日本の10年前の歴史を繰り返しているだけでしょう。

日本においてのファミコン ⇒ 海外でのグローバル拡販に成功したDS・Wii
日本においてのDVD再生もできたPS2 ⇒ ブルーレイ等再生機需要も高いPS4

このままいけば、PS陣営の寿命は、海外で「高画質なゲーム」が「新しい体験」として認知されているうち、でしょうね。

 

 

職活動で任天堂に冷やかしに行って、生前の岩田社長直々の名スピーチを拝聴しておけて、本当に良かった。
岩田社長が牽引したゲーム業界と共に学生時代を過ごし、まさか社会人になってからでも仲間との絆を深めてくれた任天堂のゲームに感謝しています。

できる事なら自分の子供とゲームで勝負できる日が来るのを夢見ていましたが、
きっと任天堂のDNAはこれから先も受け継がれていくと信じています。

 

後に、今日ググって感動したリンク集を。
岩田社長、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

任天堂復活が示す、日本企業の未来図
http://www.mochioumeda.com/archive/chuko/070210.html

「星のカービィ」「スマブラ」を共に開発した桜井氏

mother2(ネスの作品)のキャッチコピーを考えた糸井氏

http://www.1101.com/iwata20150711/index.html

 

By triumph

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