任天堂ホルダーの皆さま、お疲れさまでした。
2年近く続いた長い長い冬のトンネルを抜けたと思ったら、一気に4万台まで駆け抜けて春爛漫です。やはり今回も、任天堂の底力を信じてガチホが正解でしたね。
WiiDSの特大ホームランによる、73000円の最高値、
ポケモンGOショックによる、2日連続ストップ高、
そして、世界最大のゲーム会社「テンセント」とタッグを組んだ中国進出。
果たして今回は、どんな伝説を私たちに見せてくれるのでしょうか?
さて、中国進出が濃厚となったNintendoSwitchですが、その中国での販売を担うのが「テンセント」という中国企業です。
テンセントってなに?そんなにすごいことなの?という方は、WikiPediaでもご覧ください。
中国を代表する企業という事は想像に難くないかと思いますが、
AppleやGoogleと肩を並べて世界5大企業に名を連ねる、と聞けばその凄さがお分かりいただけるのではないでしょうか?
2018年の売上高は5兆円、利益は1.5兆円を超えています。
任天堂は売上高で1兆円ですので、とてつもなく強大な企業だという事がわかりますね。
今回の株価急騰は、この巨大企業が任天堂に頭を下げてきた、と市場が捉えていることを意味します。
考えてみてください、これだけ力のある企業なら、かつてのMicroSoftが「X-BOX」という黒船で襲来してきたように、独自のゲームプラットフォームを構築して真っ向勝負を仕掛けてきてもおかしくない状況でした。
しかし、テンセントは「ゲーム業界で任天堂を敵に回してはいけない」という経営判断を下した訳です。
強大なライバル企業の登場を防ぐと同時に、その力を借りて中国でも商売ができるようになるのです。この程度の株価急騰で済まされる話ではありませんよ。
2019年現在の世界5大企業は「Google」「Apple」「Amazon」「MicroSoft」「Tencent」となっています。
Googleとは、「ポケモンGO」を共同運営し、既に3000億円に迫る収益をもたらしましたし、サーバーに日々蓄積される1人1人のGPS移動履歴というビックデータは、この情報戦争時代に、金銭では計り知れない価値を持っています。
Appleには、「マリオラン」独占配信という話題性を提供し、新型iPhoneの販促計画に協力。
Amazonは、2018年の年末商戦に星の数ほどある世界中のプロダクトの中から、最大の目玉商品としてニンテンドースイッチを広告塔として、セールスを稼ぎました。
そしてここに、Tencentが加わりました。NintendoSwitchという中国国内1億台販売のポテンシャルを秘めた商品の流通に協力することで、その売り上げの一部を還元されます。
X-Boxで直接的に利害対立しているMicroSoftは致し方ないとして、世界5大企業のうち4社が、従業員6000人程度の元花札屋のちっぽけな日本企業と手を組もうとしている奇跡のような現実。
これだけの影響力が開花した根源は、間違いなく「ポケモンGO」です。
たかがポケモン1匹のために、群衆が大挙して街中を闊歩した2016年のあの光景は、世界に絶大なインパクトを残しているわけですね。
[Nintendo]というゲーム業界に閉じ籠っていたブランド力が、あらゆる分野に解き放たれるパラダイムシフトを生んだのです。
任天堂という企業は、その恩恵を今後何十年かけて享受できるポジションにいるのです。
「ピカチュウ」という電気ネズミが「ミッキーマウス」のライバルと呼ばれるようになる日もそう遠くない未来にやってくるかもしれません。
任天堂の歴史を紐解くと、ハード1億という限界が見えています。
過去ハードの売上は公式サイトで確認できます。
社会現象ともいえるゲームボーイやWiiでも1億台。
モデルチェンジを繰り返したDSで1.5億台。
ちなみに、日本はともかく、世界で大成功を収めたPS4の売上も9200万台です。
この通り、今のゲーム業界の”限界値”が世界販売1億台というのが現状です。
そのため、このままニンテンドースイッチが大成功を収めたとして、これまでの販路であれば1.5億台が限界でしょう。
2007年に株価が7万円を付けた時代には、WiiとDSの両輪が大成功を収めた時期ですので、これを超えるには、どうしても2.5億台の販売計画が必要となります。
Switch一本打法になった今、これをこなす活路が見えていませんでしたので、5万円を前に折り返した株価は非常に “正直” だったと言えます。
しかし、ここに中国進出というフロンティアが開かれたとなると、状況が一変します。
なんせ、人口10億の経済圏です。テンセントが拠点を置く広東省だけでも1億人で、日本市場に匹敵します。
ついに、Switch単独の2億、3億の道筋が見えてきました。
これが現実となった場合、株価も過去最高値7万円の更新も夢物語ではありません。
最後に、マネーのトラ名物(?)のチャート分析でこのチャイナショックを振り返ってみましょう。
まずは日足から見ると、3万円割れで2度の押し目を作ってからの上昇を続けていました。
3月以降は、長く続いた理不尽な投げ売り相場もそろそろ終わりが見えるかな?と淡い期待を抱いて見守っていました。
続いて週足を見ると、さらにはっきりとこの2年間の下げ相場が映し出されますね。
上も下も綺麗に抵抗線に弾かれて、教科書に載るような下げのレンジ相場です。
そして、4月以降、再度上値抵抗に挑戦する流れとなり、
「ここで35000円を超えれれば、いよいよ踏み上げ相場の復活だ!」
と推移を見守っていた矢先の、中国進出ショックです。
35000円はおろか、一気に40000円までロケット発射して行ってしまいました。
こうしてみると、この上昇は、突然降って湧いた高騰というわけでもないのです。
さすがに+5000円は想定外ではありますが、3月後半~は良い感じの底打ちと上昇線を描き始めていたので、鋭い投資家は、この高騰前に飛び乗っているのではないでしょうか?
今思えば、野村証券のお墨付きで銀行筋が2月に株を放出したのも、この中国ネタで
「絶対に損はさせない相場」である事を加味してのタイミングだったのかもしれませんね。
銀行に見放された任天堂、なんて記事を書いてたマスコミさんは、今頃息してるんですかね?(・∀・)
単純に政策保有株式の一般開放による経営に対する責任感の強化という国の方針に従った説が濃厚になりましたね。
さて。最後に月足です。
地獄のような日々が続きましたが、月足の上昇相場は未だに健在です。
35000円くらいまでは一旦休息で下がるよな?と余裕の静観をしていましたが、30000円割れを試すとは少し焦りました。
ですが、「調整」の域できちんと折り返してくれたので、しばらく「35000円割れはない」とみて良いのではないでしょうか。
次の注目は来週木曜日に控える決算発表と今期計画ですね。
私はここでの暴騰を予測しておりましたが、想定外の中国進出ニュースにより、それが先取りされた形になりましたね。
決算発表は前回記事の通り、上方修正間違いなしかと思いますし、
今期内の中国進出に目途が立っているとなると、2018年実績のswitch1800万台を大きく上回る販売計画となることでしょう。中国の売上貢献が2020年度だとしても、増配や将来性の期待は残りますので、悪くてトントン程度でここから大きな暴落というのはよほど考えつらいですね。(世界経済が足を引っ張らない限りは・・・)
中国進出のスピード感次第ではありますが、長期的には、5万~7万を目指すのではないでしょうか? そしてもし、”中国でも大成功” が現実味を帯びてきた段階で、7万円の高値更新に挑戦する未来が見えてきました。
日本を代表するゲーム会社から脱皮し、ウォルトディズニーに匹敵するキャラクターブランド力を解放し始めた任天堂。これからどこまで上り詰めることができるのか、楽しみですね。